2014年6月16日月曜日

段階的コスト見積り

プロジェクトコストを見積もる際、立ち上げ時にいきなり詳細な見積りをしてコミットしてしまうことは、よほどリスクの少ないプロジェクトでない限り避けるべきですが、実際には営業担当が売り込み時に口約束レベルで言った価格でプロジェクトを納めるよう強要されることもあるのではないでしょうか?そこまでひどくなくても、プロジェクト初期に出した数字が独り歩きし、プロジェクトの詳細が見えてきて追加コストが必要なことがわかってもコスト変更がほぼ不可能、という話はよく聞きます。

これではお互い不幸になります。受注側は常にコストオーバーランの脅威にさらされますし、その結果多めの見積りを出しがちになります。また、言質を取られまいと、曖昧な説明をすることになります。発注側は根拠不明の高額な見積りに驚くことになりますが、交渉しようにもコスト構造が不透明なため「安くしろ!」としか言えなくなります。

通常、下図のように概要見積りから詳細見積りへと落とし込み、適切なタイミングでコミットするかと思います。



実際には上図のようなカーブではなく、フェーズレビュー等のタイミングで次フェーズ以降のコストをどの程度の精度で見積もるか、という決め事になっていくかと思います。下に例を示します。

この例では、各フェーズのレビューのタイミングで、次フェーズ以降のコストを2つの観点(次フェーズ期間中のみのコストと、プロジェクト全体のコスト)と、プロジェクト終了後の保守費用という観点で見積もっています。

セルの色は、
薄い水色:概算見積り
濃い水色:精度を高めた見積り(しかしコミットしない)
青地に白文字:詳細見積り(コミットする)
となっています。

前提として、
・詳細設計フェーズまでは発注側の判断でプロジェクトを中止できる(そのためフェーズ毎のコストのみコミット)
・詳細設計フェーズ開始前にプロジェクト全体のコストをコミットし、正式に契約する
・保守費用見積りは受注側の責任
としています。


上の表はあくまで一例で、前提条件によって大きく変わってくると思いますが、プロジェクトが進むに従い詳細化され、十分に詳細化された時点でコミットされるのだ、という共通認識を受発注側双方で持つことが重要です。

0 件のコメント: